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鈴木 喜雄
画像ラボ, 2002(11), p.26 - 29, 2002/10
太陽のエネルギー源は、その内部で起こっている核融合反応である。核融合反応は、膨大なエネルギーを生み出すことや、地上において必要な燃料などの資源が豊富で偏在しないこと、また、環境への影響が少ないことなどから、21世紀以降の新しいエネルギー源として期待されている。日本原子力研究所では、核融合反応を地上で起こし電気エネルギーを取り出すことを目指して、世界最大規模のトカマク型核融合実験装置JT-60の実験運転を中心とした研究が推進されている。また、理論的側面からは、スーパーコンピュータを用いたトカマク数値実験(NEXT = Numerical EXperiment of Tokamak)研究が行われている。本稿では、特にNEXT研究で行われている数値シミュレーションで観測される複雑な物理現象に対して、その理解促進のために利用されている可視化システムやバーチャルリアリティ(VR)システムについて、利用事例を紹介しながら記述する。
渡辺 正; 加藤 克海*
画像ラボ, 8(2), p.20 - 22, 1997/02
原研の計算科学研究における可視化技術の利用例として、スーパーコンピュータで実行中のシミュレーションの途中経過を、逐次可視化用ワークステーションへ転送し実時間可視化とビデオ録画、データ保存を行うリアルタイムモニターシステムについて解説した。本システムはスーパーコンピュータ上でのジョブのサブミット用シェル、出力ファイルの転送用シェル、可視化ツールを起動するための描画用シェルからなる。特殊な画像処理技術を使用せずシミュレーションプログラムを変更する必要がないため、様々な計算機環境に応じた使用、拡張が容易である。
藤井 実; 松山 泰男*
画像ラボ, 0(11), p.32 - 35, 1996/11
両眼ステレオ視は、環境に影響を与えない受動的な距離計測法として、また左右のカメラ画像から色と距離の二つの情報を同時に得ることができる方法として、将来の移動ロボットの共通な視覚手段となることが期待されている。また、両眼ステレオ視は、人間が何気なく使用している空間認識法であり、その原理も、左右一対のカメラで撮られた2枚の画像上の対応点を見つけ、三角測量の原理でその対応点の写っている場所のカメラからの距離を算出するという比較的簡単なものである。しかし、左右画像上での対応点を求める操作の自動化、即ちステレオマッチングと呼ばれる左右画像の対応点探索問題を一般的に解くことは、非常に難しく、まだ研究開発段階にある。本稿では、この順序逆転を含むシーンについても対応付けを可能にした2段階動的計画法アルゴリズムと名付けた新しい方法(電子情報通信学会論文誌掲載)を解説する。